データ・ストアの概要
この項では、TimesTenデータ・ストアの主な要素および特徴について説明します。内容は次のとおりです。
データ・ストアのコンポーネント
TimesTenデータ・ストアには、次の永続コンポーネントがあります。
- 表: TimesTenデータ・ストアの主要コンポーネントは、アプリケーション・データを格納する表です。「表の理解」を参照してください。
- マテリアライズド・ビュー: 1つ以上の通常のTimesTen表から選択したデータのサマリーを保持する読取り専用表です。「マテリアライズド・ビューの理解」を参照してください。
- ビュー: ディテール表と呼ばれる1つ以上の表に基づく論理表です。ビュー自体にはデータは含まれていません。「ビューの理解」を参照してください。
- 索引: 表の1つ以上の列に対して索引を作成すると、表へのアクセスが速くなります。「索引の理解」を参照してください。
- 行: 各表は、0行以上の行で構成されています。行とは、形式が整えられた値のリストです。「行の理解」を参照してください。
- システム表: システム表にはTimesTenメタデータ(すべての表に関する表など)が含まれています。詳細は、「システム表」および『Oracle TimesTen In-Memory Database APIリファレンス・ガイド』のシステム表およびレプリケーション表に関する説明を参照してください。
また、準備済のコマンド、カーソル、ロックなどの多くの一時コンポーネントもあります。
データ・ストアのユーザーおよび所有者
アクセス制御が有効になっていないかぎり、TimesTen Data Managerでは、ユーザー名が認証されません。ユーザー名は受け入れられますが、パスワードは完全に無視されます。TimesTen Client/Serverでは、パスワードでユーザーが認証されます。アプリケーションでは、専用に1つのUIDを選択する必要があります。これは、アプリケーションの実行に使用されるログイン名が、デフォルトではデータ・ストアの所有者になるためです。2つの異なるログイン名を使用すると、TimesTenでの正しい表の検出が困難になる可能性があります。TimesTenでは、接続文字列でUID接続属性を省略すると、現行のユーザーのログイン名が使用されます。また、すべてのユーザー名が大文字に変換されます。
ユーザーは、SYSユーザーとしてTimesTenデータ・ストアにアクセスすることはできません。TimesTenは、UID接続属性の値または接続ユーザーのログイン名(UID接続属性の値が存在しない場合)でユーザー名を判別します。ユーザーのログイン名がSYSの場合は、ログイン名が上書きされるようにUID接続を設定します。
データ・ストアの永続性
データ・ストアの作成時に、永続属性セットまたは一時属性セットのいずれかを設定します。
- 永続データ・ストアは、チェックポイントと呼ばれるプロシージャで自動的にディスクに保存されます。TimesTenでは、データ・ストア属性CkptFrequencyおよびCkptLogVolumeの設定に基づいて、チェックポイント処理がバックグラウンドで自動的に実行されます。また、最後のアプリケーションが切断されるときにも、データ・ストアのチェックポイント処理が実行されます。さらに、アプリケーションで、ttCkptまたはttCkptBlocking組込みプロシージャ(『Oracle TimesTen In-Memory Database APIリファレンス・ガイド』を参照)を起動して直接データ・ストアにチェックポイント処理を実行することもできます。
- 一時データ・ストアは、ディスクに保存されません。アプリケーションが接続されていない場合、一時データ・ストアは自動的に破棄されます。TimesTenでは、最後のアプリケーションを切断すると、ディスク・ベースのすべてのファイルが削除されます。
注意: | データ・ストアの作成後、そのデータ・ストアの永続属性または一時属性は変更できません。 |